特定技能ドライバーは増えるのか?現状データと今後の予測を解説

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近年、外国人材の受け入れ制度である「特定技能」において、分野ごとの動向に大きな差が生まれています。

その象徴的な例が、外食分野です。
外食業では受け入れ人数の上限に達したことにより、新規入国や技能評価試験の停止といった措置が取られるなど、いわば“上限管理フェーズ”に入っています。

一方で、同じ特定技能の中でも「自動車運送業(トラック・バス・タクシー)」分野は、制度が始まったばかりということもあり、在留人数はまだごくわずかにとどまっています。

しかし現場では、人手不足の深刻化を背景に、外国人ドライバーの受け入れに対する関心は確実に高まっており、制度としては“これから本格的に動き出す分野”とも言えます。

では、特定技能ドライバーは今後どのように増えていくのでしょうか。
外食分野のように、短期間で一気に上限へ到達する可能性はあるのでしょうか。

本記事では、出入国在留管理庁の公表データや関連資料をもとに、現状の整理とともに、特定技能ドライバーの今後の見通しについて考察していきます。

現状データ整理

まずは、特定技能制度全体の中で「運送業分野」がどの位置にあるのか、最新の公表データをもとに整理します。

出入国在留管理庁の公表によると、令和7年12月時点における特定技能外国人数は約39万人に達しており、制度全体としては着実に拡大しています。

その中でも、人数が多い分野としては以下が挙げられます。

  • 飲食料品製造業:約9.3万人
  • 介護:約6.7万人
  • 工業製品製造業:約5.6万人
  • 建設:約4.9万人
  • 外食業:約4.3万人

特に外食業は、制度開始から短期間で急速に拡大してきた分野です。

実際に出入国在留管理庁は、以下のように公表しています。

公式データ『出入国在留管理庁』
最新データをご確認いただけます。

特定技能制度の運用状況2025年12月データ

分野・国籍・地域データ

外食業分野における特定技能1号の在留者数(以下「在留者数」という)は、本年2月末現在で約4万6千人(速報値)となっており、本年(2026年)5月頃に受入れ見込数(受入れ上限。5万人)を超えることが見込まれる状況です。

このように、外食業はすでに受入れ上限に到達する見込みであり、「拡大フェーズ」から「上限管理フェーズ」へ移行しつつある分野と言えます。

一方で、自動車運送業分野(トラック・バス・タクシー)はどうかというと、

  • 在留人数:151人(令和7年12月時点)

と、他分野と比較しても極めて小さい規模にとどまっています。

これは、同じ特定技能の枠組みの中でも、分野によって成長スピードに大きな差があることを示しています。

さらに注目すべき点として、制度上は運送業分野において、2024年からの5年間で最大24,500人の受け入れが見込まれているにもかかわらず、現時点ではそのごく一部しか実現していないという状況です。

つまり、

👉 「外食はすでに上限到達目前、一方で運送業はまだ立ち上がり段階」

という対照的な構造が見えてきます。

なぜ運送業は少ないのか(構造)

ではなぜ、自動車運送業分野は制度上の受入れ枠があるにもかかわらず、在留人数が151人と極めて少ないのでしょうか。

結論から言うと、これは単純に「人気がない」わけではなく、制度構造上のハードルが複数存在しているためです。

主な要因は以下の通りです。

制度開始が新しい

自動車運送業分野は、特定技能の中でも比較的新しく追加された分野です。

そのため、他の分野のように制度開始から数年かけて人材が積み上がってきた状況とは異なり、まだ立ち上がり初期段階にあると考えられます。

「すぐ働けない」構造(外免切替等)

運送業分野の最大の特徴は、外国人がすぐにドライバーとして働けるわけではない点です。

特定技能ドライバーとして就労するためには、

  • 外国の運転免許を日本の免許へ切り替える(外免切替)
  • 日本の交通ルールへの適応
  • 必要に応じた教習・試験

といったプロセスを経る必要があります。

つまり、

👉 試験に合格しても、すぐに戦力化できない

という構造になっています。

特定活動期間の存在

さらに、運送業分野では多くの場合、

👉 「特定活動」資格で入国 → 準備期間 → 特定技能へ変更

という流れを取ります。

この準備期間中に、

  • 免許取得
  • 研修
  • 生活基盤の整備

などが行われるため、

👉 在留データ上はまだ「特定技能」としてカウントされない人材が存在する

可能性があります。

物理的な受入れキャパの制約

もう一つ重要なのが、受け入れ側の物理的な制約です。

例えば、

  • 教習所の受入れ人数
  • 免許センターの予約枠
  • 企業側の教育体制や寮の確保

などは、短期間で一気に拡大できるものではありません。

そのため、

👉 需要があっても“同時に処理できる人数”に上限がある

という状況になります。

まとめ

これらを踏まえると、自動車運送業分野は

👉 「人材がいない」のではなく、「制度的に時間がかかる分野」

であると言えます。

つまり、現在の151人という数字だけを見て「需要がない」と判断するのではなく、

👉 “まだ表に出てきていない人材が存在する可能性”

を考慮する必要があります。

「4,000人 vs 151人」 データが示す大きなギャップ

■ 試験合格者:約4,000人
■ 実際の在留者:151人

👉 約25倍のギャップ

自動車運送業分野の現状を理解する上で、非常に象徴的な数字があります。

それが、

👉 「試験合格者 約4,000人」に対して「在留者 151人」

という大きなギャップです。

特定技能ドライバーとして就労するためには、技能評価試験に合格する必要がありますが、すでに一定数の合格者が存在しているにもかかわらず、実際に特定技能として在留している人数はごくわずかにとどまっています。

この数字だけを見ると、

👉 「人材はいるのに、現場にはまだ出てきていない」

という状況が浮かび上がります。

なぜ、このギャップが生まれるのか

この背景には、前述の通り以下のような要因があります。

  • 外免切替などの準備期間が必要
  • 特定活動から特定技能への移行に時間がかかる
  • 教習・免許取得などの物理的な制約

つまり、

👉 試験合格=即就労ではない

という点が、他分野との大きな違いです。

見方を変えると何が言えるか

この「4,000人 vs 151人」という構造は、ネガティブな要素だけではありません。

むしろ、

👉 今後在留者として顕在化する“予備軍”がすでに存在している

とも捉えることができます。

ポイント

👉 現在の在留人数は“実態の一部”に過ぎない可能性がある

協議会データから見る需要(企業側の動き)

ここまで見てきた通り、自動車運送業分野では「人材はいるが、まだ表に出てきていない」構造が存在しています。

では、受け入れ側である企業の動きはどうなっているのでしょうか。

この点を読み解く上で参考になるのが、自動車運送業分野の特定技能協議会に加盟している企業のデータです。

令和7年12月時点において、協議会に加盟している受入企業は約480社にのぼります。

この数字から分かるのは、

👉 すでに相当数の企業が、外国人ドライバーの受け入れに向けて動き出している

という事実です。

協議会加盟の意味

特定技能制度において、協議会への加盟は単なる登録ではなく、

  • 受入れ体制の整備
  • 関係法令の遵守
  • 外国人材の受入れを前提とした準備

といった要件を満たす必要があります。

さらに実務上は、

👉 具体的な受入れ予定を前提として動いているケースが多い

と考えられます。

在留人数との違和感

ここで改めて整理すると、

  • 在留人数:151人
  • 試験合格者:約4,000人
  • 受入企業:約480社

という構図になります。

このバランスを見ると、

👉 「需要はすでに存在しているが、供給がまだ追いついていない」

という状態であることが読み取れます。

まとめ

👉 企業側はすでに受入れに向けて動いている

👉 制度上のボトルネックにより、実際の在留人数に反映されていない可能性がある

今後の見通し(仮説)

ここまでのデータを踏まえると、自動車運送業分野は

  • 在留人数は少ない(151人)
  • 一方で試験合格者は一定数存在(約4,000人)
  • 受入企業も増加(約480社)

という、いわば**「準備は整っているが、まだ顕在化していない状態」**にあると考えられます。

では今後、この分野はどのように推移していくのでしょうか。

2026年:立ち上がりの年

まず2026年は、

👉 これまで準備されてきた人材が“実際に在留者として現れ始める年”

になる可能性があります。

特に、

  • 外免切替の完了
  • 特定活動から特定技能への移行
  • 企業側の受入体制の整備

といったプロセスが進むことで、

👉 在留人数が一気に“見える形”で増加するフェーズ

に入ることが想定されます。

2027年:増加フェーズへ

2026年に立ち上がりが確認されると、その後は

👉 継続的に人材が流入する“パイプライン型の増加”

へ移行していくと考えられます。

  • 試験 → 入国 → 免許取得 → 就労

という流れが一定のサイクルとして回り始めることで、

👉 毎月安定的に人数が積み上がる構造

が形成されていきます。

2028年以降:上限との距離

制度上、自動車運送業分野では5年間で最大24,500人の受入れが見込まれています。

ただし現時点の進捗を踏まえると、

👉 外食分野のように短期間で上限に達する可能性は高くない

と考えられます。

その理由は、

  • 免許取得という時間的制約
  • 教習・受入れ体制の物理的制約
  • 分野特有の育成プロセスの長さ

などにより、

👉 一気に増えるというより、段階的に積み上がる構造

であるためです。

本記事の結論

以上を踏まえると、自動車運送業分野は

👉 「今は少ないが、今後確実に増えていく分野」

でありながら、

👉 「短期間で上限に達するタイプではない」

という特徴を持つ分野であると考えられます。

外食分野との違いから見る“運送業の本質”

ここで改めて、すでに上限到達が見えている外食分野と、自動車運送業分野を比較してみます。

外食分野は、

  • 技能試験に合格すれば比較的早期に就労可能
  • 特別な資格や免許が不要
  • 受入れ体制の構築が比較的容易

といった特徴があり、

👉 「即戦力として一気に受け入れが進む構造」

となっています。

その結果、短期間で在留人数が増加し、上限に近づくという動きが見られました。

一方で、自動車運送業分野は、

  • 外免切替や免許取得が必要
  • 特定活動期間を経るケースが多い
  • 教習・教育などのプロセスが必須

といった特徴から、

👉 「段階的に戦力化される構造」

となっています。

なぜ”急増しない”のか

この違いにより、自動車運送業分野では

👉 「一気に人数が増える」ことは起こりにくい

と考えられます。

しかし裏を返せば、

👉 「一度流れができれば、継続的に人材が供給される分野」

でもあります。

今のタイミングをどう捉えるか

現時点では、

  • 在留人数は少ない
  • しかし人材(合格者)は存在している
  • 企業側の受入れも進んでいる

という状況です。

つまり、

👉 「これから増える前の初期段階」

と見ることができます。

企業側にとっての意味

このフェーズは、企業にとって

👉 「まだ競争が激化していないタイミング」

でもあります。

外食分野のように、

  • 人材の取り合い
  • 採用コストの上昇

といった状況になる前に、

👉 先行して受入れ体制を構築できるかどうか

が、今後の人材確保に大きく影響する可能性があります。

まだ導入事例が少ない今だからこそ、
早期に取り組む企業とそうでない企業で差が出始めています。

ご相談いついて

本記事では、特定技能ドライバーの現状と今後の見通しについて、公開データをもとに整理してきました。

自動車運送業分野は、

  • 現時点では在留人数が少ない一方で
  • 試験合格者や受入企業はすでに存在しており
  • 今後、段階的に増加していく可能性がある分野

であると考えられます。

一方で、実際の受け入れにあたっては、

  • 外国人ドライバーの採用フロー
  • 外免切替や免許取得のサポート
  • 社宅の確保や生活環境の整備
  • 労務面での対応

など、企業様ごとにさまざまなお悩みや不安があるのも事実です。

私たち株式会社BPLでは、

👉 外国人ドライバーのご紹介だけでなく
👉 社宅探しや生活面のサポート
👉 社会保険労務士と連携した制度面のご相談

まで、一貫してサポートしております。

また、これらの初期相談については無料で対応しておりますので、

  • まだ検討段階の方
  • 情報収集をされている方

でも、お気軽にご相談いただけます。

特定技能ドライバーの受け入れについてのご相談は、以下よりお問い合わせください。

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